既に後期高齢者、「終活」を意識しながら「断捨離」などしています。
孫が3組6人います。
もうずいぶん前のことですが、その一組の孫、小学2年と4歳の、姉と弟ですが、喧嘩になりました。
挙句の果てに小さい方が頭をどこかにぶつけて、泣いた。だが、いつまでも泣きやまないので、
しびれを切らせた母親が「いつまで泣いてるの。もう痛くないでしょ」とたしなめると、
ちびは「痛くないけど、まだ、泣く~」、そう言って泣き続けるのですね。
〈そうかあ、「泣く」ということはそういうことなんだな〉と、じじは新しい発見をするわけです。
そんな孫たちを見ていると、この年代の者たちは異口同音に言っていることですが、孫たちがどうしようもなくかわいい、そして、それまで思ってもみなかったほど切実に、彼らが生きやすい、
暮らしやすい世の中であってほしいと、思うわけです。
それは不思議な感覚で、子育てをしていた時も、現役の時も、思ったことがなかったほど強く、
この子たちが生きていく社会をいい世の中にしたいと、思うのですね。
ところが、先行きは非常に、暗い。
現在の日本は、戦後、精神的に一番堕落していると、自分は思っています。
自分は、1940年生まれで、戦後の社会と並走して生きてきましたが、現在は、戦後最悪の時代です。
「選良」と言われる政治家や官僚たちのお粗末さ、平気で嘘を言い、忖度を蔓延させ、
そして不正を押し通している。貧富の格差は際限もなく拡大し、
大人たちは、自分のことしか考えず子どもたちに莫大な借金のつけをまわして暮らしている。
そうして、一番の問題は、今の日本は、人を人として大事にできない、人を人とも思わない、そういうことが平気でスルーしていく国になってしまっています。
一昨年5月、川崎市で、スクールバスを待っていた小学生や親が男性に相次いで刺された事件がありました。
この事件については、多くの言葉が語られましたが、その中でバラエティーによく出ているMHという人は、
「人間が生まれてくる中で、どうしても不良品というのは何万個に1個、絶対に、これはしょうがないと思う。(中賂)こういう人たちはいますから、絶対数。その人たち同士でやり合ってほしい」と、
バラエティー番組「ワイドナショー」で、コメントしていました。
人間を商品にたとえているのです。
そして、社会には生まれつき劣った人間が必ずいて、彼らが厄災をもたらすと言っているわけです。
こういう番組が平気で流され、こういう人間が、大手を振って、依然としてテレビに出ている。
このように、今のこの国の精神の水位は、絶望的です。
オリンピック開会までのゴタゴタ、森さんから始まる女性蔑視発言やいじめ、ホローコーストのパロディ化など、今の日本の、非常にレベルの低い「精神の貧困」を、世界に露呈していますね。
NHKのBSテレビに「最後の講義」という番組があります。
今この世を去るとしたら、何を語りたいかという設定で、いわゆる一流の人が「最後の講義」をする番組ですが、
この間(2021/7再放送)上野千鶴子さんが出ていて、 番組の最後に残る人に伝えたい一番の思いを書く色紙に、
「こんな社会にしてごめんなさいと言わなくていい社会を手渡したい」と、書いていました。
そのような思いを、自分もまた強く持って、残余の生を生きたいと願っています。
(じじの繰り言 1)
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