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恋愛小説家Sayulistさんにインタビュー
はぐまつインタビュー特集、現在様々な分野で活躍されている方にインタビューをしていく企画です。
今回は恋愛小説家のSayulistさんにお話をお聞きしてきました。
今回はSayulistさんが書かれた恋愛小説のお話とともに、
松本市の小中学生向けに「作文を上手に書くコツ」も併せて教えてもらいました。

The majestic Arc de Triomphe in central Paris bathed in warm late afternoon light.
1.恋愛小説を書こうと思ったきっかけはなんですか?

高校生になるとリアルな恋愛が楽しくてパッタリ書かなくなりました。
時を経てアラフォーの自分がnoteを始めることになり、
「書くなら恋愛小説」って漠然と思ったのがきっかけです。
恋愛小説をよく読んでいたし、
リアルでも恋愛中毒で人並み以上に経験したと言えるのはこれしかないので。
自分の人生を振り返って、
アラサーで行ったフランス留学時代が一番華やかでネタも多いと思い、
『フランス恋物語』の構想が生まれました。
小説を読むのと、実際に書くのでは大きな違いがあると思いますが、
きちんとした構想を練られてヒットする作品を生み出す熱量、素晴らしいですね。
またご自身の実体験がベースになっているとのことですが、
海外での生活という普段日本にいたらなかなか経験できない経験が活かされていてすごいです。
2.作品を作る上で苦労されたことがあれば教えてください。



”恋愛”という最もプライベートな過去を曝け出すことになるので、初めはすごく照れがありました。
そして、「モデルになった元カレたちに見付かったらどうしよう」という心配もあります。
悪くは書いてないつもりなので、見付けてもそっとしていてください・・・。(苦笑)
実話がベースの部分は当時の日記や友人とのメールが資料になったので良かったのですが、
創作部分は調べるのが大変でしたね。
舞台がフランスで気軽には行けないしネットで調べるしかないのですが、
2009年の設定なので2020年の現在とは変わっていることも多かったり。
「読者には疑似留学体験してほしい」という気持ちが強かったので、
なるべく当時のリアルに近付けるよう努力しました。
そうですね、実際に実体験を土台としたときに、自分の過去の経験を俯瞰しながら作品という一つの形にするのは
色々と葛藤や感じることも少なくないと思いますが、
そういったご自身の経験を真摯に作品に投影させているので、
読む側にも大きな感動や共感が生まれるのだなと感じました。
3.どんな方に読んでほしいですか?作品を通して伝えたいことは?



一番は主人公の玲子と同年代のアラサー女性ですね。
昔に比べるとだいぶマシになったと思いますが、
日本人女性の「30歳はもう若くない」という悲壮感ってまだまだあると思うんです。
「もう20代じゃない。どうしよう、早く結婚しなきゃ。」みたいな。
でも30歳ってまだまだ若くて美しいし、20代にはない大人の落ち着きという新たな魅力も加わって、
「恋愛の可能性は本人の気の持ちようじゃない?」と私は言いたい。
日本に市場がないと思ったら、思い切って海外に飛び出してみるのもアリだと思うし。
実際フランスに住んでみると、日本人のアラサー女子はまだまだ幼いし、
あちらの男性は成熟した大人の女性を求めていると実感しました。
私は2回結婚してますが、結婚制度そのものには懐疑的な人間です。
「結婚はそこまでいいものじゃないよ。それよりいっぱい恋愛して、合う人がいれば結婚すればいいんじゃない?」
「結婚にこだわりすぎて、婚活に一喜一憂しないで。一度きりの人生、もっと自分本位に楽しもうよ。」
自分自身の経験を通してできた人生訓なのですが、『フランス恋物語』にはそんなメッセージが込められています。
超が付くほどのラテン系人間なので、当作品を通して日本人ラテン化計画が進めばいいなと。(笑)
アラサー女子のみなさん、是非、一度読んでみてくださいませ。
4.『フランス恋物語』のあらすじ、見どころは?



自由奔放で恋愛体質な主人公がたくさんの恋を経験して、笑いあり、涙あり、ドキドキ・ワクワクがいっぱいの恋愛小説です。
恋愛要素以外にも、初めての海外生活、語学や仕事の挫折、フランスでの合気道経験、
フランス各地や周辺国を旅した時の感動、現地の人との出会いなど、見どころ満載です。
リアルなフランス生活の模様、個性豊かな男性たちとの恋愛経験、
フランスやヨーロッパ各地の旅行記など、様々な疑似体験を楽しんでください。
本当に映画化されそうなストーリーですね。
そして留学される方も年々増えてきていますが、留学したコトある方もない方も共感しちゃうような
読者の経験にもつながる部分が多いと感じました。
5.小学生や中学生に読書作文を書くコツがあれば教えてあげてください。



①「この間、○○がきっかけで『〇〇』っていう本を読んだよ。」
②「その本は、こういう話なんだけどさ・・・。」
③「特にこんなエピソードが面白くて、○○って思ったよ。この本を読んでみて、自分の中でこんな変化があったよ。」
この①②③をイメージして、文章にしてみましょう。
①その本を選んだきっかけ
→なぜ、自分がその本を選んだのか。
作者やジャンルが好き、タイトルに惹かれた、あらすじを見て面白そうだった、表紙が好き、○○が薦めていた、図書館でたまたま手に取った・・・何でもいいんです。
「本を選んだ」きっかけだけで一つのストーリーが生まれ、それなりにマスを稼げます。(笑)
「指定図書だったから」という理由ならすぐ終わってしまいますが、それでも初めに書きましょう。
②本のあらすじ
→本に載っているあらすじを参考に、自分の言葉で肉付けしていきましょう。長く書く必要はなくて、全文の3分の1もあれば十分です。
③印象に残ったエピソードなど+それに対する感想、その本が自分に与えた影響など。
→印象に残ったり感動したシーンやセリフなど、どんどん書いていきましょう。
最後に「この本を読んで、自分の中でどんな影響や変化があったのか」を書いて、締めくくります。
とてもわかりやすいアドバイスありがとうございます。
是非松本市の小学生の皆さんも素敵な作文が書けるようになってくれたらいいなと感じます。
ありがとうございます!
6.こどもの文章力や作文力を伸ばすためにしておいたほうがよいことがあれば。



私の場合は幼い頃から小学校低学年くらいまで、寝る前に母が絵本を読んでくれました。
父は本をよく買ってくれたし、自宅にたくさん本があるとか、親子で図書館に行くとか、本が身近な環境というのも大きかったです。
そして、お子さんには「わからない単語は国語辞書で調べる」という習慣を付けさせてください。(今の時代だとネットかもしれませんが)
読書(=インプット)をたくさんすると、おのずと文章力・作文力(=アウトプット)も付いてきます。
子どもにとって身近な文章のアウトプット方法は、手紙ではないでしょうか。
親子だと誕生日などの記念日に、感謝の気持ちを手紙に書くのもいいと思うし、
離れて暮らす祖父母や親戚などと手紙のやりとりをしてみるのもいいかもしれませんね。
読み聞かせ、確かに大切ですね。
活字離れやスマホで予測変換されてしまう今日、
書籍や読者が子ども達の生活に根付いていくことや
読書を身近に感じるコトがとても大切だなと改めて感じました。
7.おすすめの書籍あれば教えてください。



自分の人生観を変えた一冊として
谷崎潤一郎の『痴人の愛』。
今とは比べ物にならないくらいの男尊女卑の大正時代、こんな女性上位な考えもあったんだなと感心しました。
単純に谷崎潤一郎が「女性上位の思考の持ち主」なだけなのかもしれませんが。(笑)
明治~昭和初期の文豪が書いたと思うととっつきにくいイメージがありますが、不思議なくらい読みやすい。
潔(いそぎよ)すぎて気持ちがいいくらい、「美は正義」ということを主張している作品です。
恋愛小説家Sayulistさんへのアクセス
実際にフランス恋物語を読んでみたい方はこちらをどうぞ🌟
・『フランス恋物語』
・Sayulist(さゆり)のnote
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