やけどの原因は、ポットやカップめんのお湯を浴びたり、お鍋やフライパン・アイロンに触ってしまう。珍しいところでは炊飯器の蒸気の出口に手を乗せてしまったりと様々ですが、家で行う処置は同じです。
初期の処置の仕方でその後の経過も大きく変わってきます。
【まず第一にすること】
やけどをした場合、なにをおいてもする事は、十分冷やす=水をかける事です。水道の流水でなるべく長く冷やすのが大切です。
熱湯をかぶるなど、衣類の上からやけどをした場合はお風呂に直行し、シャワーを使って水をかけましょう。肌に直接触れていない上着はゆっくりと脱がせますが、直接触れているオムツ・下着・靴下などはそのままにします。
水をかける時間は最低でも5分。ただし、長時間水をかけ続けると乳幼児の場合は体温が下がることもあるので10~15分くらいにします。
【次にする処置】
・皮膚が赤くなった程度なら・・・ 水で冷やしたあと、ガーゼを当て、包帯をしておくだけでよいでしょう。何もつける必要はありません。
・水ぶくれが出来た場合は・・・ 水ぶくれは破らないようにして、ガーゼを当てて包帯をしておきます。そのまま病院へ。
【どんなやけどだと病院にいくの?】
・広い範囲のやけど・深いやけど:急いで病院へ。水をかけたあとの体が冷えないよう、バスタオルやシーツなどをで覆い、空気にさらさないようにして連れて行きます。赤ちゃんは体表面積の10%、子供の場合15%以下でもショックに陥ることがあります。特に全身にやけどした場合は濡らしたバスタオルでくるみ急いで救急車の手配を。
・顔、手や指、性器のやけど:手や指の場合はくっついたり、性器の場合はおしっこが出なくなる事もあります。鼻や口の近くのやけどでは熱いものを吸い込んでいることもあります。
・水疱ができたやけど:破れるとバイ菌が入りやすくなります。つぶさないでそのまま受診します。
※注意・1
いずれの場合も、家庭では水で冷やすのみで、何もつけてはいけません。市販の軟膏類・チンク油はもちろん、バター、味噌、アロエなどは効果がないどころか、やけどで一番こわい細菌の二次感染の温床になってしまいます。
もし、これらの物をつけていると病院ではそれらを取り除いてから治療するために、たいへん手間もかかり治療が遅れることもあります。
※注意・2
特殊なやけど=低温やけど
湯たんぽや電気アンカ、カイロなど、温度は高くなくても長い時間接触している事により起こるやけどが低温やけどです。
やけどの程度は温度×接触時間で決まります。低温やけどは長い時間をかけて皮膚の深いところまでじっくり熱が伝わり、重症の場合が多いですから早めに受診しましょう。
痛みを感じないケースもありますが、平気だとは思わないで下さい。痛みを感じないほどダメージを受けている場合が多いのです。